ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色
Hematoxylin and eosin stain 原理
ヘマトキシリン自体は無色ないし淡黄色で、まず酸化剤を用いて赤色のヘマテインにする。しかしヘマテインには生体構成成分と強く結合できるような官能基がないため媒染剤を添加して色ラックとする。この色ラックは正(+)に帯電しているため、組織内の負(−)に帯電している部分(リン酸基やカルボキシル基を多く含む部分…細胞核、他)に結合し、青紫色に染める。酸性色素であるエオジンの色素分子は水溶液中では負(−)に帯電している。よって組織中の正(+)に帯電している部分に結合するが、組織構成成分は全般に等電点がやや低く(pH3.5〜5.5)、エオジン水溶液中では負(−)に帯電している部位が多い。そこで酢酸等の酸を少量加えると組織成分がより正(+)に帯電し、負(−)のエオジンが結合しやすくなる。
試薬 マイヤーのヘマトキシリン液 1液:ヘマトキシリン 2.5g 1・2液を混合すると、しばらくしてヨード色になる。次にカリウム 純アルコール 25ml ミョウバン水(25g/815ml)を溶解しておき、ヘマトキシン混合液と 2液:ヨウ素酸ナトリウム 0.15g 混ぜ2-3時間放置する。次いでジエチレングリコール100ml、酢酸 蒸留水 50ml 7.5ml を加えて混合する。 0.5%塩酸70%アルコ−ル 80%エタノ−ル エオジン液 原液 使用液 エオジンY 1g エオジン原液を80%エタノ−ルで3倍程度に薄め、この液100mlにつき 蒸留水 100ml 酢酸を0.5ml加える。 染色結果 核 … 青紫色 , その他の細胞質、線維、赤血球など … それぞれの性質に応じ濃淡各種の赤 方法 脱パラ、水洗、蒸留水 ヘマトキシリン液(5分) 軽く水洗 ,分別, 色出し、水洗(10分) 軽く80%エタノ−ルに通した後、エオジン液(3分)軽く水洗 脱水、透徹、封入