腎臓の検査
尿素窒素(BUN)
1.何がわかるか-----基礎知識
蛋白が体の中で分解されたときにできる物質の一つに、尿素があります。尿素は、すべて腎臓から排泄されます。腎臓の排泄能が低下すると血液中に溜まってきますので、血液中の尿素を測定すれば、腎臓の排泄能力を知ることができます。尿素は窒素を含んでいますので、その窒素を測定して表します。
尿素の排泄に最も関係するのが、腎臓の糸球体という血液の濾過を行う部分の濾過の大きさです。この能力が正常の半分くらいに障害されると、血液中の尿素窒素の値が上がってきます。すなわち、ある程度、腎臓が傷害されないとあがってきません。
糸球体の濾過量以外に、尿素窒素の上昇に関係する因子は、
体の組織の蛋白の破壊が著しいとき
蛋白質の摂取量が多いとき
消化管内に出血があった時、血中の蛋白が腸で分解されて吸収されたとき
水分摂取量が少なく、そのため尿の量が少ないとき
などがあります。
検査詳細情報
2.異常値-----疑われる病気や異常
高い場合
腎臓疾患
心不全
嘔吐、下痢、高熱、脱水
糖尿病
腸閉塞
低い場合
妊娠後期
中毒性肝炎
3.どうすればよいか-----日常生活上の注意
軽度上昇のときは、他の因子のない状態で再検します。それでも高ければ、他の腎臓機能検査をします。
中〜高度上昇のときは、腎障害の疑い大です。病院で詳しく調べてもらってください。
低い値の場合は、とくに心配ありません。経過を観察してください。
クレアニチン(CRE)
1.何がわかるか-----基礎知識
クレアチニンは、腎臓の糸球体でろ過されて排泄される老廃物の一種です。
排泄機能障害があると血液中のクレアチニンは高い値を示します。
尿素窒素よりも食事や運動の影響を受けません。
腎臓の排泄能に障害があるということは、腎臓の働きの低下を意味します。
検査詳細情報
2.異常値-----疑われる病気や異常
高値の場合
腎不全
心不全
尿毒症
尿路閉塞等
低値の場合
筋ジストロフィー
尿崩症
3.どうすればよいか-----日常生活上の注意
中等度以上上昇の時は、腎障害の疑いが大ですので、詳しく検査を受けて下さい。